ネットショップを開業する際、個人で独自ドメインを取得しお店を構築する「独自ドメイン店」と、楽天やAmazonのようなショッピングモールの中にお店を構える「モール店」のどちらかを選んでスタートするのが一般的です。
どちらにも長所、短所があり、一概にどちらかだけをおすすめする事ができませんので、自分のスキルや扱う商材を考慮した上でご判断いただくのが良いと思います。
ここからは、独自ドメイン店と、モール店を利用するメリット、デメリットについて解説していきます。
独自ドメイン店の特徴
独自ドメインサイトは本店サイトとも呼ばれ、規制を受ける事もないため、自分の好きなようにお店を作る事ができます。一般的には、ネットショップASPサービス(カート機能やサーバー等をレンタルするサービス)を利用して作成する事が多いですが、近年ではWordPressを利用して自作する方も増えています。
独自ドメイン店の長所
- 手数料が安い
モールと比較し、商品が売れた際に掛かる手数料が安く済み、手元に残る利益が多くなります。ASPサービスを利用している場合は、月々のサービス利用料(数千円〜数万円)の支払い分を超えればどんどん利益が出る仕組みです。
- 顧客情報を自分で管理できる
メルマガなどを利用し、日頃から顧客と接点を持ち、定期的に買い物をしてくれるファン(リピーター)を作る事はネットショップを運営する上で、非常に重要となります。独自ドメイン店では顧客情報を自分で管理する事ができますので、セール前に顧客のメールアドレスにお知らせメールを送る、誕生月にクーポンを発行する、年間10万円分以上お買い物してくれた顧客にプレゼントを送る等、顧客の囲い込み施策を自由に行う事ができます。
- ページを自由にカスタマイズできる
サイトのデザインやカスタマイズなどを自由に行う事が可能です。ただし、HTMLやCSSの技術が必要になってきます。スキルを持ち合わせていない場合は、外注でページ制作を行ってもらう事も可能です。
独自ドメイン店の短所
- 集客力が弱い
独自ドメイン店をオープンしたばかりの状況では、お店が検索エンジンの検索画面に掲載されていない為、何もしないとお客様の訪問はありません。SEO対策(検索エンジン対策)をしっかりと行いながら、リスティング広告(クリック課金型広告)、アフィリエイト等の施策を用いて、自分自身で集客を行っていく必要があります。
- 信頼してもらえるお店作りが必要
独自ドメイン店で商品を購入してもらうには、「このショップにならカード情報や個人情報を教えても大丈夫」とお客様に信頼される必要があります。ショップの雰囲気を総合的に見て判断される部分なので、最低限、ページのデザインを整え、必要な情報をしっかりと掲載した安心感のあるサイト作りが求められます。
独自ドメイン店に向いているお店
- 独自性の高い専門店
例)ラジコン用モーターの専門店、マタニティウェアの専門店、猫用品の専門店 など
テーマを絞り、そのテーマの商品を徹底的に揃えた、好きな人にとってはたまらないお店を目指しましょう。ラジコン用モーターに関しては、商品数でモール店に負けない、モールでは買えない商品がたくさんあるお店を作る事が大切です。
モール店の特徴
モール店は圧倒的な認知度による集客力が魅力です。一方で、同じ商品を扱う競合と比較されてしまうため、モール内で選ばれる為の施策が必要になってきます。
モール店の長所
- 圧倒的な集客力、営業力
誰もが知る、楽天のログイン会員数は7,800万人を超えています。この中の全ての人が楽天でネットショッピングをする訳ではありませんが、楽天に出店するだけでかなりの集客が見込める事がわかると思います。定期的に楽天スーパーセール等のイベント施策を行っており、売上を得やすい環境と言う事ができます。
- 検索結果に上位表示されやすい
ドメインの信頼性が高いと検索エンジンが各ページの検索順位を決める際に、優位に働き、結果的に上位表示されやすくなる傾向があります。楽天内でお店を構えた場合、「rakuten.co.jp」という長年使われ続けてきた評価の高いドメインの恩恵を受ける事ができるという事です。
- 決済に手間がかからない
モールの場合、ログインをすれば商品購入時に個人情報やクレジットカード情報を入力しなくても、簡単に決済する事ができます。個人情報を伝える先はモールになりますので、安心感があります。
モール店の短所
- なにかと費用が掛かる
固定費と合わせて、商品が売れる度に費用が掛かるため、売上は出ても、利益率が低くなってしまう傾向があります。また、モールに来たお客様に、自分のお店の商品を買ってもらうために、モール内で広告を出す必要があり、追加費用が掛かってしまいます。
- 競合との価格争いが起こりやすい
モール店では出店している競合の数も多いため、他店と同じ商品を扱う場合、値段を比較され、価格の安いお店で購入される事が多くなります。結果的に安売り合戦が始まってしまうケースが多いです。
- 顧客情報を自分で管理できない
モール出店では一般的に、商品を購入した顧客の情報はモールのものになります。メルマガの送付を行うには費用が発生してしまいます。
モール店に向いているお店
- 人気で定番の商品を安く販売できるお店
例)家電製品を独自の仕入れルートで安く仕入れ、安く販売できるお店
人気の商品を他より安く販売する事ができるのであれば、モール店出品がおすすめです。訪れるユーザーの数が圧倒的に多いため、他社商品と比較されて勝てる要素(価格、レビューの数 等)があれば売上をあげることができます。
まとめ
- 独自ドメイン店とモール店の特徴比較表
ここまで独自ドメイン店とモール店の違いを見てきました。それぞれの特徴を掴む事はできましたか?
私のおすすめは、最初は比較的予算の掛からない独自ドメイン店を出店し、ある程度利益が出るようになってから、モールで2店舗目の出店を行う方法です。
モール出店は売上に期待できますが、掛かる固定費や手数料、広告費も多く、独自ドメイン店と比較すると出店リスクも大きいため、ある程度まとまった資金とネットショプの運営ノウハウを持った状態で臨む方が良いでしょう。
将来的に独自ドメイン店とモール店の両方を構える事で、双方のメリットが得られる状態に持っていく事が理想的です。