音楽ライブを通して再認識させられた顧客管理の重要性

皆さんは「顧客管理とはなんですか?」と聞かれて正しく答える事ができるでしょうか?頭ではなんとなく分かっていても上手く説明できない方が多いのではないかと思います。

顧客管理とは、顧客の情報や売上などの情報を「管理」をすること、のように聞こえます。顧客管理は、顧客との「関係」を管理(マネージメント)することであって、顧客情報そのものを管理することだけにとどまりません。

顧客管理は、顧客情報に加えて、顧客の購買履歴やマーケティング活動の反応、サポートまで様々な情報を記録するようになってきました

引用:顧客管理とは?〜顧客管理の基本を学ぼう | カイロスのマーケティングブログ

顧客管理とは、単純な顧客情報そのものの管理ではなく、顧客の購入履歴やサービス利用履歴、性別や好み、企業との接点などを総合的に管理する事を指します。

 

なぜ細かく顧客情報を管理しなけれないけないのか?

顧客情報を把握する事で、それぞれのお客様にマッチしたアプローチを掛ける事ができます。

会員が1,000人いるネットショップがあったとします。会員に向けて、定期購入を申し込むと、全商品10%割引で購入する事ができるキャンペーンをメルマガで訴求した場合、頻繁に買い物してくれているお客様は反応してくれる可能性がありますが、買い物の頻度が低いお客様や、最終購入日から日数が経過してしまっているお客様の反応は見込めないでしょう。

このショップで日常的に買い物をしていないにもかかわらず、いきなり「定期購入しませんか?」というオファーを受けても心に響く訳がありません。

この場合、定期購入をおすすめする事自体が悪いという訳ではなく、見込みの極めて薄いお客様に、常連のお客様に向けたサービスの訴求をしてしまっている事が問題です。

 

ではどうすればいいのでしょうか?

 

頻繁に買い物してくれるお客様に向けたオファーと、しばらく買い物をしてくれていないお客様に向けたオファーの内容を変えて、それぞれのお客様の心に響きやすくなるよう工夫をしてみましょう。

 

頻繁に買い物をしてくれているお客様には、「定期購入を申し込むと、全商品10%割引で購入する事ができる」という内容をオファーをします。普段から買い物をしているので、定期購入する事でお得に商品が買えるという内容に魅力的に感じる方は多いでしょう。

しばらく買い物をしてくれていないお客様には、「特定の商品を50%割引で購入できる」という内容のオファーをしてみましょう。しばらく買い物をしてくれていないという事は、変わりに別のお店で買っている可能性が考えられるため、値段を安く購入できるようにする事で、もう一度商品を試してもらい、お客様に戻ってきてもらう為のきっかけを作る事ができます。

※オファーの内容はあくまでも一例です。業種によって適切なオファーも変わってきますので、反応が取れるよう工夫してみて下さい。

情報を元に顧客を区別し、それぞれの顧客に合わせた提案やオファーを行う事で、お客様が反応してくれる可能性がグッと高まる事でしょう。

 

アーティストにも顧客管理の考え方は必要

以前、ある大きなイベント(音楽とは関係のないイベントです)を見に行ったところ、ゲストミュージシャンがライブを行う為の特設ステージが用意されている事に気が付き、少し観てみる事にしました。

若い女性アーティストが歌っている最中だったのですが、後から調べてみたところ、それなりに知られたアーティストだったようで、大手企業のCMに楽曲が使われており、あまり音楽に詳しくない私でも名前を聞いた事はありました。

 

声が美しく、声量もあり素晴らしかったのですが、彼女はこの場ではやってはいけない事をしてしまった事で会場の空気は一変してしまいます。

 

 

 

(観客席に向けてマイクを向け)「みんな歌ってーーー!!」

 

 

 

観客の歌声は聞こえず、彼女も何度かチャレンジするのですが、反応は変わりません。

最後まで観客が反応する事はなく、結果的に、なんだか盛り上がらなかったライブという印象が残ってしまいました。

 

なぜ、そうなってしまったかを考えてみると、彼女は、自分と観客の関係性を考慮せず、いつも通りのパフォーマンスを行った事で失敗してしまったのではないかと思います。

その日会場に集まった観客は、彼女のライブを観る事が目的ではなく、イベントに興味があって集まっています。ライブ会場の観客を見渡しても年齢層は高めで、彼女の事を知っている人は多くなかったはずです、ファンが集まった状態ではないにも関わらず、ファンに向けた盛り上げ方をしてしまった事で、反応が得られなかったという訳です。

仮に、先ほどのコールアンドレスポンスを彼女の単独ライブで行った場合、観客の大半は彼女のファンなので、きちんと呼びかけに反応し、大いに盛り上がった事でしょう、方法自体が悪かった訳ではなく、状況に合っていなかっただけなのです。

このアーティストの例は、ビジネスと重なる部分が非常に多いように感じました。

 

誰に向けて何を伝えると反応してもらえるのかを考えよう

「顧客情報」とひとまとめにしても、一つ一つの情報の先には必ず人間がいます。可能な限りそれぞれの状況に合わせたアプローチを行う事で、大きく反応が変わりますので、決まった内容のメルマガやDMをを全ての会員に一斉送信するのはもうやめましょう。

ご存知だとは思いますが、新規顧客を獲得する為には、多くの予算がかかってしまいますので、まずは今ある顧客情報を最大限活かし、優良顧客にはよりファンになってもらう、休止顧客には復活してもらえるよう、お客様が反応したくなるようなアプローチを掛ける事が重要です。